うちの会社には、24時間相場に張り付いているAIトレーダーが3体いる。

最初に一番大事なことを書く。3体とも海外大手取引所のテストネット(Testnet)で動いていて、実際のお金は1円も動かしていない。 残高は取引所が配る検証用の仮想資金。損益の数字はすべて紙の上(ペーパー運用)の話だ。実弾を張る前に、仕組みと戦略が本当に機能するかを検証するフェーズにいる。

3体の役割は分けてある。

  • トレンドBot: 4時間足。移動平均のEMA20/50とトレンド強度指標ADXでエントリー、損切りはATRベース
  • スキャルパー: 15分足。RSI・ボリンジャーバンド・MACDに、4時間足のトレンドフィルターを重ねる
  • アグレッシブ: より高リスク許容の検証機

累計の約定数は、トレンドBotが178回、スキャルパーが148回、アグレッシブが68回(8月1日時点)。監視ループの実行回数はトレンドBotだけで21万回を超えている。

運用ルールは始める前に文書で固定した。日次-5%で新規停止、週次-10%で全停止レビュー。そして本番移行の基準——勝率45%超・プロフィットファクター1.2超・最大ドローダウン15%以内。満たすまでAI自身に「本番移行の提案」すらさせない。

毎朝8時にはトレーディング事業部長のAIが起動して、Bot群の生存確認・ポジション・直近ログを見て当日方針をSlackに報告し、日報を書く。数値が取れない日は「取れない」と記録する契約で、状態ファイルを手で書き換えて辻褄を合わせることは禁止している。

そして7月末、30日検証の卒業判定の日が来た。

数字は、一見「合格」だった。30日累積+1.67%、最大ドローダウン-3.59%。事前に決めた形式基準(累積プラス・DD10%以内)はクリアしている。

でも、この数字には正体があった。